インドレポート2000
その2

そして出発、夜11時に1600ccの小型車に乗り込み、時速100kmでボッコンボッコンの道とジャングルを抜け、砂漠をひた走り、ベロンベロンになって朝の7時に、その町は突然現れました。

まさにダリの絵画のシュールな世界が目の前に現実となって現れたのです。

  

  

14世紀から16世紀にかけて栄えたヒンドー王朝、ヴィジャヤナガル王国がある日突然消え、残ったのは数十の寺院と、核爆発があったような巨大な岩だらけの街です。40℃以上の気温の中、リクシャで慌ただしく回り、午後四時には帰路につき、滅び行く国の宿命に脳を焦がしつつ夜中に再びゴアへと戻ったのでした。
翌々日、むせぶビーチの香りを心にしまい込み、最後の夜の地、ムンバイへ。
有色人種差別でイギリス人の作ったホテルに入れなかった、ムンバイ一の資本かターター氏が立てた最高級ホテル、タージ・マハル・ホテルに泊まる。

しかし、ここが一番日本のホテルに近く、面白くなかったなぁ。 売人にスラム街に連れて行かれたり、屋台のケバブに舌鼓をうち、旅の終わりの頃には幼いホームレス達の中に選んでからお金を上げることも出来、全く違う宗教や価値観に心地よく浸っている自分がいました。

  

20代の時に回ったインドとは全く違うINDIAを体感し、あの時から続いていた、「何かやり残した感じ」も消え、アジアンパワーを痛感し、旅は終わりました。
INDIAが全てではないのですが、旅は何かを教えてくれたり、気付かせてくれます。皆さんも本当に心に残る良い旅を。そして、全てのバックパッカーの方へ、良い旅を!!

2000.5.26 国沢 拓

  


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